シフスヘーベヴェルクの横には公園になっており、小さな資料館まであった。この資料館はまったく予想外の収穫で、おかげでドイツ国内のシフスヘーベヴェルクについての主な情報を把握することができた。こんな感じでこまごまと資料が出てくるところは本当にドイツ的だと思う。一般の人間がきわめて専門的な情報へアクセスする道筋が、必ずどこかに存在するのである。日本だったら子供向けのブックレットがあればいい方であろうし、国によっては資料館はおろかこういう施設はことごとく鉄条網の中にあり、うっかり近づこうものなら鉄砲持った警備兵に追い返されることになるのだ。

公園からシフスヘーベヴェルクを眺めた。真横から見ていると、そのうちに1350トンの船が水位差38メートル上下するのが、なんだかとっても当たり前の動きに見えてくる。動作がスムーズだからだろう。写真ではわからないと思うが、この場所は実に静かなのである。軽いモーター音と水の音、ときおり何かの金属音がコンクリートに反響するだけだ。たまにそばを通る車の音の方がよほどうるさいぐらいだ。

さて、これから可能な限り、あちこちのシフスヘーベヴェルクを訪ねてみることにしよう。今回は他にドイツ中部と東部の2か所を回るつもりだ。(2005.8.24)

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シフスヘーベヴェルク・シャルネベック

水路名:エルベ側方運河(Elbe-Seitenkanal)
通常水位差:38m
水槽数:2
水槽の長さ:100m
水槽の幅:12m
水槽の深さ:3.4m
稼働部重量(水含む):11800t
通過所用時間:20分
竣工年:1974

●Wikipedia(ドイツ語版):Schiffshebewerk Scharnebeck
●Google Map:だいたいこのあたり
●Google Map:航空写真で上から見てみる



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