川をまたぐ水路、というのは日本にもないわけではないが、それは大抵は川に架かった水道管、という程度の規模である。しかしここのは違う。大河同士が立体交差、なのである。2003年にできたばかりのこの水路橋は、ミッテルラント運河とエルベ・ハーフェル運河を直結するショートカット水路なのだ。この橋ができるまで、ライン川方面からミッテルラント運河を通ってやってきた船は、一度エルベ川に入り、エルベ川をちょっと下ってからエルベ・ハーフェル運河に入り直す必要があった。それを直結してしまったわけだ。で、その結果、めでたくもヨーロッパ最大規模の水路橋(マグデブルク水路橋 Kanalbrücke Magdeburg)ができてしまった。

たしかに規模はすごいが、側道を歩いて反対側まで行って戻ってくるうちに飽きてしまった。大きすぎて感覚が麻痺してしまうのかもしれない。すごいもの、の上に自分が乗っかっているのだけど、それが巨大でしかも安定しているとなると、通常の地面に立っているのと何ら変わらない感覚に戻ってしまう。かくしてヨーロッパ最大の水路橋横断は、ただただ歩き疲れただけだった。水路橋を船がひっきりなしに通っていく。



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