ベルリン・リヒテンベルク駅から、現代的なスタイルの黄色いディーゼルカーに乗った。リヒテンベルクは街が東西に分割されていた頃、東側の各地に向かう長距離列車が発着するターミナルだったそうだ。特権的な機能を失ってから、もうかなりの期間が経過していのだけど、構内はたしかに大ターミナル駅らしく広々としていた。黄色いディーゼルカーは、もし日本だったら駅弁売りでも立っていそうな長い堂々としたホームの真ん中あたりに、場違いな感じでぽつんと停っていた。何とたった1両でブランデンブルクの平野を横断し、ポーランドとの国境地帯をかすめてフランクフルトまで行くのだという。 実はフランクフルトといっても国際空港のあるマイン川沿いの大都市ではなくて、国境を流れるオーデル川沿いにある、同名の小さな街なのだ。その途中のニーダーフィノウの駅で降りた。幹線からローカル線に乗り入れ、しばらく走って最初に停まった無人駅だった。街道に出て1時間に1本あるかないかのバスをつかまえ、5分ほど乗ってその名も「シフスヘーベヴェルク」というバス停で降りた。バスの走り去る先を目で追うと、巨大な鉄骨の要塞のような建造物が見えた。

Niederfinow

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