この水槽を上げ下げする仕掛けはシャルネベックのものと同じタイプ。ここでは水槽は256本もの極太ワイヤによって吊られているそうだ。とにかくワイヤー、ワイヤー、そこいら中ワイヤーだらけと言ってもいい。最上部にある巨大な滑車をはさんだその反対側には多数のカウンターウェイトがついていて、力学的には同じ体重の二頭のゾウが乗って釣り合ったシーソーのような状態になっているのだ。形から言うとシーソーよりはつるべ井戸なのだけど、とにかくモーターはそのバランスをちょいと崩してやる程度の仕事ができればよい。ゾウを上下に動かすのに、ネズミがシーソー上を行ったり来たりすればよいということだ。小学生でもわかる単純な原理だけど、これだけ巨大なスケールで演じられると凄い。神の摂理の舞台裏を覗き見てしまった牧童のように、素朴に感心してしまう。



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