H u m d r u m【 埋 没 す る 日 常 ・99年8月 】
●埋もれていく無意味な日常を無編集のままだらだらと記述し撮影し蓄積して公開することがそのまま 作品 日常となる●

1999/08/29

1999/08/29 Tokyo
●FreeBSDサーバのバックアップ用のデバイスが無いのをずっと気にしていたのだが、昨日1.3GBのMOドライブを奮発してしまった。しかし1.3GBのディスクはまだまだ高いので、安売りの640MBをいっぱい買い込んできた。このあたりに自分の行動特性がちゃんと表れている。しかし考えてみると今まで使っていた128MBのMO、これだって買った当時はディスクが5000円ぐらいしたような気がする。それを考えれば今、1.3GBディスクを使うべきなのだが●バックアップ、について思うこと。バックアップって何のためにするのだろう。ディスクが壊れた場合に備える、間違ってファイルを消した場合に備える、まあそれはよい。ではなぜ、そうしてファイルが失われることが「いけない」ことなのか、と考えるとわからなくなる。第一にデータが消える、ということはいったい、どういうことなのか●物が消える、というのは燃焼する、化学変化する、有機的に侵食される、などなど、直感覚で把握できる。しかしデータが消えるというのは、直感覚ではわからない。多くの場合、磁気の微小な変化であるはずなのだが、そんなものは目で見えない。目で見えないものは、やはりわからない●話しを戻す。データが失われて「いけない」のは、データというのが人間の労力の産物、もっと詩的に言い換えれば時間の結晶であるからだろう。そう言い換えたところでいずれ経済的な理由なのだ。では経済に所以しないデータは消えても「いけなくない」ということになる。そう考えると面白くなってきた。偶然にいい加減に撮ったデジタルカメラの画像データ、これなんかは消えてしまっても痛くも何ともないデータの典型だ。実はそのあたりに何か次へのヒントがあるのではないかと思っている。しかし完全に消してしまってはアクションが無かったのと同じになってしまう●写真画像を作りだす、のでなく、写真画像を作りだす場(あるいは構造)を作り出す。されに不完全に、少しずつ消えていく(=アクセスしにくくなっていく)ような場を作る。それが今の課題だ。Daysプロジェクトの構造をその線で作り替えたのでぜひ見てほしい。
1999/08/19

1999/08/19 Tokyo
●夏も半分を過ぎてしまったようで、暑い暑いと言いながらもそれを惜しむような気持ちが出てくるようになってきた。今年もちゃんと暑い夏で良かった。ネットラジオでプログレ(!)なんか聞き流しながらこれを書いている。一方で何度も出かけたトルコでの地震の被害に心が痛む●最近、なぜか水門ページに、人気が出てきて作者としてはうれしい限りである。何だかんだと書いているが、とにかくやはりみんなに水門を見に出かけてほしい、と思う。現代に生きるわれわれは川というものを意識しにくくなっているが、昔も今も川は人間に対してたいへんに強大な存在であることに変わりはない。うっかりそれを忘れてしまうと、命を失ってしまうこともある●水門に出かけることが川の危険を知ることに直結するわけでもないが、日本の川はそのほとんどが人為的な制御下にあって、必ずしもすべてが最適化されているわけではないにせよ、ある仕組みで運用されている。そのシステムを体験的に見知ること、意識のはずれの方にでも置いておけること、水門を見に行くということはそういう効能や意味合いを含んでいるのだと思っている。
1999/08/08

1999/08/08 Tokyo
●ようやくjsato.orgの引っ越しが完了。さあこれでいよいよ24時間365日サーバは止められないぞっと。もっともそんなにアクセスは多くないので、まあちょっとぐらい止めても大丈夫なはずだと思う●目の前のサーバにhttpアクセスが来る、って様子は、どうも「アクセス」なんて突き放した語で表現するのは的確でなくて、実のところ「お、お客さんが来た」って感じである。自分が何もしてないのに、サーバのネットワークのアクセスランプが勝手に点滅するのがその知らせ。モニタがついてればウィンドウを切り替えてログファイルを表示しっぱなしにしてあるのを眺めることができる。jsato.orgは圧倒的に常連の方が多いので(これはちと問題だな)、アクセス元のドメインを見るとかなりの確率で誰が見てくれているか想像できてしまう。楽しいような気持ち悪がられるような(笑)。ヒマな日曜の午後にアクセスランプの点滅するのを待っている姿って、あれ、これって河原で石売ってるみたいだぞ、と思う。
1999/08/03

1999/08/02 Tokyo
●新しい部屋の窓からはいろんなものが見える。給水塔、遠くのビル、花火、積乱雲。4階なので電線がジャマなのを除けば、景色としてはまあ悪くない。ところが斜向かいがウナギ屋なので、窓を開けていると時間と風向きによっては蒲焼きの匂いも飛び込んでくる。こればっかりはいいのか悪いのか未だ判断できないでいる●もうひとつの窓、すなわちInternetの方。これはついに常時開きっぱなしになってしまった。思った通り、世界への敷居がぐーっと下がった感じがしている。Web上で何かを作り上げていくことに伴う無力感が、いつの間にか消えている。確信犯的にアクションを継続させていけそうな気分がしてくる●DNSの変更が世界中に行き渡った頃を見計らって、2、3日中にWebサイトの一部を目の前のサーバに移す。同時にサイトの再構成、新プロジェクトの立ち上げなど行うつもり●1995年8月1日にWebサイトを始めて、ついに5年目に突入した。見てくれているみなさんありがとう!これからもよろしく。




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